更新日:
2024年05月07日
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新大久保のリトルカトマンズで、本場より旨いネパール料理専門店、しかも激安!に出会う
新大久保でじわっと勢力を拡大しているネパール勢。彼らのお腹を満たすネパール料理専門店がうまくて安くてあっさりしてて、日本人でも要注目なのです!——人種の坩堝にして食文化のカオス、美食と猥雑が入り乱れる新大久保でしか味わえないディープグルメを探索する連載です。(2019年10月17日公開)
- ナマステ菊池
- 岩手県出身の38歳。実話誌の編集者として芸能...
本場よりうまい「定食」にありつける、新大久保のネパール料理店に突撃
ネパールは中国とインドに挟まれた小さな国。エベレストをはじめとするヒマラヤ山脈が国土のほとんどを占める、世界一標高の高い国でもある。ちなみに僕は昔この国に沈没しており、奥さんまでもらってしまった。
東京に連れてきたのだが、5年であえなく離婚……。ゆっくり過ぎるヒマラヤの国の人には、東京はあまりにも騒がしすぎたかもしれない。いや、100%僕の不甲斐なさが原因なのだが……。
それはとりあえず置いといて、近年日本に移住するネパール人が爆発的に増加している。特に大久保周辺には3,000人ものネパール人が住んでいるといわれ「リトルカトマンズ」と呼ばれている。
当然、彼らを相手とするネパール料理専門店も増えていて、現在では「本場より美味い」といわれるレストランも登場するほど。
今回はその中でも日本人が行くことはめったにない、首都カトマンズの路地にあるような店を訪れてみた。
東京に連れてきたのだが、5年であえなく離婚……。ゆっくり過ぎるヒマラヤの国の人には、東京はあまりにも騒がしすぎたかもしれない。いや、100%僕の不甲斐なさが原因なのだが……。
それはとりあえず置いといて、近年日本に移住するネパール人が爆発的に増加している。特に大久保周辺には3,000人ものネパール人が住んでいるといわれ「リトルカトマンズ」と呼ばれている。
当然、彼らを相手とするネパール料理専門店も増えていて、現在では「本場より美味い」といわれるレストランも登場するほど。
今回はその中でも日本人が行くことはめったにない、首都カトマンズの路地にあるような店を訪れてみた。
新大久保の改札を出て右へ。にぎやかな韓流女子たちをかいくぐりながら明治通り方面に5分ほど歩くと、右手にお目当ての店はある。
店名不明……でも細かいことは気にしないのが「ネパリ流」
『東京ラウンジ&バー 新大久保店』が現在の店名。以前は「東京ロディクラブ」や「東京ロディガル」というお店だった。
看板には色々な名前が書いてあってどれが正しいのかさっぱりわからない。しかし、細かいことは気にしないのが「ネパリ流」(ネパールのという意味)。
ロディとは「歌って踊って」というような意味らしいのだが、ここはまさにその名の通りのお店。
看板には色々な名前が書いてあってどれが正しいのかさっぱりわからない。しかし、細かいことは気にしないのが「ネパリ流」(ネパールのという意味)。
ロディとは「歌って踊って」というような意味らしいのだが、ここはまさにその名の通りのお店。
階段を上がって店内に入ると、独特な旋律のネパール民謡にのせて朗々と歌い上げるお姉さんたちの姿が見える。みな煌びやかな民族衣装を纏っている。高音がよーく伸びる歌声は耳に心地よく、ずっと聴いていても飽きることがない。
ステージの前では若者たちが腰をふったり、手を合わせたり、時には輪になってぐるぐる回りながら踊っている。何度か行ったことがあるが、むこうの夜遊びの定番がこんな店だった。
カトマンズに「タメル」と呼ばれる歓楽街があるのだが、生バンドの演奏にあわせ踊りながら酒を飲む、現地そのままスタイルを大久保に持ち込んだ実に楽しいお店である。
ステージの前では若者たちが腰をふったり、手を合わせたり、時には輪になってぐるぐる回りながら踊っている。何度か行ったことがあるが、むこうの夜遊びの定番がこんな店だった。
カトマンズに「タメル」と呼ばれる歓楽街があるのだが、生バンドの演奏にあわせ踊りながら酒を飲む、現地そのままスタイルを大久保に持ち込んだ実に楽しいお店である。
「ナマステ。ネパールビア、プリーズ」
日本語が怪しい、来日したばかりの店員さんにビールを注文。
日本語が怪しい、来日したばかりの店員さんにビールを注文。
お隣インドと違い、飲酒に寛容なネパールではビールの種類が豊富だ。その中でも人気なのが「ネパールアイス」(650円・税込)で、ラガーと表記されているが飲み口は軽く、すいすいイケる南国風。とても美味しい。
ネパールの国民食「モモ」はチベット風の蒸し餃子
酒のあてとしてネパール料理を頼むなら、「モモ」(700円・税込)がおすすめ。
ネパールの文化には北方のチベット系と南方のインド系が混ざり合っているが、モモと呼ばれるチベット風蒸し餃子(小籠包)は国民食といっていいほどよく食べられている。
ネパールの文化には北方のチベット系と南方のインド系が混ざり合っているが、モモと呼ばれるチベット風蒸し餃子(小籠包)は国民食といっていいほどよく食べられている。
ヒンズー教徒が多いネパールは、牛肉NG。豚肉もほぼ食べないので、羊やヤギの肉が使われることが多い。真ん中のカレーソースをたっぷりつけ口にほお張ると、モチモチとした生地の中にたっぷりとスープが。
ホフホフと舌が火傷するほど熱いので、すかさずビールをごくり。うーん、至福。
ホフホフと舌が火傷するほど熱いので、すかさずビールをごくり。うーん、至福。
「アルジラ」はネパールのお袋の味
次に頼んだのは、「アルジラ」(550円・税込)というジャガイモのカレー炒め。
ただのジャガイモと思うなかれ。クミンやターメリックの香りが立ち、しっかりとした異国の味。そういえば元嫁はよくこの料理を作っていたなあ。肉じゃがならぬ、ネパールのお袋の味は「アルジラ」なのかもしれない。歌声を聴きながらお酒がイイ感じでまわってくる。
もう少し腹にたまるものを食べたくなり、河岸を変えることにした。
もう少し腹にたまるものを食べたくなり、河岸を変えることにした。
会計をすますと、お釣りが10円玉だらけ……。レシートも出せないのが、ネパリ流なのだろうか。
料理上手なタカリ族のワンコイン定食がうまい!
謎の会計を済ませて向かったのは、『タカリバンシャガル ムスタング』。『東京ラウンジ&バー 新大久保店』からわずか徒歩30秒のところにある。
タカリとは、タカリ族とよばれる民族のことで、ネパールでは商売がうまく、料理上手なことで知られる。バンシャガルとは大衆食堂という意味。ムスタングとはかつて存在した幻の小国、ムスタング王国のことだろう。
なので、「タカリ族が経営する、ムスタング王国に由来する大衆食堂」という店名になるわけだが、本当にタカリの人がやっているのかは分からない。向こうではタカリ=美味い! みたいなイメージがあるらしいので、そういう店名にしているのかもしれない。
ちなみに数年前は「ニュームスタング」という名前だった気もするが……細かいことは気にせずにいこう。
なので、「タカリ族が経営する、ムスタング王国に由来する大衆食堂」という店名になるわけだが、本当にタカリの人がやっているのかは分からない。向こうではタカリ=美味い! みたいなイメージがあるらしいので、そういう店名にしているのかもしれない。
ちなみに数年前は「ニュームスタング」という名前だった気もするが……細かいことは気にせずにいこう。
ボロボロの階段をあがり店へ入る。店内に入るとお客も店員も全員ネパール人。
目的はただひとつ、「ダルバート」である。ダルバートとは、ワンプレートにご飯、ダル(豆のスープ)、カレー、野菜のおかず、などを盛った定食のこと。
ネパール人は、朝晩365日ダルバートを食う。もちろんたまにラーメンやサンドイッチも食べるが、それはイレギュラーなことで、基本的にはダルバートを食う。
目的はただひとつ、「ダルバート」である。ダルバートとは、ワンプレートにご飯、ダル(豆のスープ)、カレー、野菜のおかず、などを盛った定食のこと。
ネパール人は、朝晩365日ダルバートを食う。もちろんたまにラーメンやサンドイッチも食べるが、それはイレギュラーなことで、基本的にはダルバートを食う。
毎日食べるものだから、激安500円でうまい「ダルバート」
迷わず500円(税込)の激安ダルバート「ネパーリカナセット」を注文。カナとは、食事のことだ。
チキンとマトンが選べたので、マトンを選ぶ。
給食のようなアルミ皿に、米、ダル、生野菜、カレー、辛い豆の炒め物、辛いソースが並ぶ。ダルは家庭や店によって味が違い、いわば味噌汁のような物だ。スープといっても味はかなりしょっぱく、あくまで米と合わせて食すように作られている。
給食のようなアルミ皿に、米、ダル、生野菜、カレー、辛い豆の炒め物、辛いソースが並ぶ。ダルは家庭や店によって味が違い、いわば味噌汁のような物だ。スープといっても味はかなりしょっぱく、あくまで米と合わせて食すように作られている。
とにかく混ぜる。グチャグチャに混ぜて食べる
これらをとにかくグチャグチャに混ぜて食べる。
現地では右手の指でそのまま食べるのが一般的だが、さすがに皆スプーンを使って食べていた。
辛さ、豆の甘さ、カレーの油などが渾然一体となり、口には旨味が、全身にはスパイスによる刺激が駆け巡り汗が吹き出してくる。
ちなみにご飯おかわり自由がデフォルトなので、足りなかったら遠慮せずに注文できる。「ライス!」といえばニコニコしながらたっぷりよそってくれる。
あっさりとした健康食として、日本人にも人気が高まりつつあるダルバート。
3000人の同胞の胃を満たすため、新大久保界隈では500円ダルバートを提供する店が急増中。その一店一店ごとにダルやおかずが異なるので、まったく飽きることはない。
インド料理とは似て非なるネパール料理の世界。日本で一番ヒマラヤに近いのは、ここ新大久保だろう。
現地では右手の指でそのまま食べるのが一般的だが、さすがに皆スプーンを使って食べていた。
辛さ、豆の甘さ、カレーの油などが渾然一体となり、口には旨味が、全身にはスパイスによる刺激が駆け巡り汗が吹き出してくる。
ちなみにご飯おかわり自由がデフォルトなので、足りなかったら遠慮せずに注文できる。「ライス!」といえばニコニコしながらたっぷりよそってくれる。
あっさりとした健康食として、日本人にも人気が高まりつつあるダルバート。
3000人の同胞の胃を満たすため、新大久保界隈では500円ダルバートを提供する店が急増中。その一店一店ごとにダルやおかずが異なるので、まったく飽きることはない。
インド料理とは似て非なるネパール料理の世界。日本で一番ヒマラヤに近いのは、ここ新大久保だろう。
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- ナマステ菊池
- 岩手県出身の38歳。実話誌の編集者として芸能スキャンダルから裏風俗まで幅広く取材を続けている。職業柄、歌舞伎町~大久保界隈の事情に詳しく、週の半分は大久保に訪れている。元妻はネパール人。
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