更新日:
2018年09月13日
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店主の故郷・関西の名物も引っ提げ、渋谷に「酒場 きんぼし」が開業。
JR渋谷駅の西口を出て徒歩5分、首都高を横目に道玄坂を登り切った辺りに、「酒場 きんぼし」の提灯が煌々と輝く。大衆酒場でありながら小洒落た内装で、若い女性客も暖簾をくぐりやすい。店主の池上善史氏は、六本木の人気大衆居酒屋「六本木三ツ星酒場 朝日食堂」や、ブラボー・ピープルズ直営の7店舗で経験を積み、約10年に渡る修行の末、6月20日に独立第一歩の同店をオープンした。
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提灯やロゴのデザインは友人でデザイナーの女性が作った。店舗の印象を決めるものだからこそ、ターゲットとしている女性の感覚で作ってもらいたかったという
池上氏が飲食業に携わったのは26歳からだ。ミュージシャン・矢沢永吉の著書「成りあがり」を読み、ギターを担いで東京に出てきたのが19歳の頃。「俺もビッグな男になる」という熱意はあれど、具体的な手段や展望はなく、さまざまな職を転々としながら、自分のやりたいことを模索していた。
「兵庫の実家がお好み焼き屋をやっていたので、ぼんやりと『商売をやってみたいなあ』と思っていました」とは、池上氏。久々に実家に帰ったとき、常連に向かって楽しそうに働く両親の姿を見た。子供の頃から見慣れていたはずのその光景が、その時ばかりはなぜか脳裏に焼き付き、「一度だけ飲食業をやってみよう」と、思い至る。そこで応募したのが「朝日食堂」だ。
「こだわりの料理や、店内の風情はもちろん、とにかく働いている先輩方がカッコよかったんです。お客様と楽しく笑って、店が盛り上がる。そこには細かな気配りや目配りが垣間見えて、プロの仕事ってこういうものだと思いました。入ったその日から飲食業の魅力にとりつかれて、『僕は自分の店を持ちたい。だから、勉強させてください』と皆さんにお願いしていました」
「兵庫の実家がお好み焼き屋をやっていたので、ぼんやりと『商売をやってみたいなあ』と思っていました」とは、池上氏。久々に実家に帰ったとき、常連に向かって楽しそうに働く両親の姿を見た。子供の頃から見慣れていたはずのその光景が、その時ばかりはなぜか脳裏に焼き付き、「一度だけ飲食業をやってみよう」と、思い至る。そこで応募したのが「朝日食堂」だ。
「こだわりの料理や、店内の風情はもちろん、とにかく働いている先輩方がカッコよかったんです。お客様と楽しく笑って、店が盛り上がる。そこには細かな気配りや目配りが垣間見えて、プロの仕事ってこういうものだと思いました。入ったその日から飲食業の魅力にとりつかれて、『僕は自分の店を持ちたい。だから、勉強させてください』と皆さんにお願いしていました」
コンクリ打ちっぱなしの店内に和のテイストをちらほらと。洒落すぎず、砕けすぎない、肩肘を張らずに過ごせる空間作りにこだわった
初の飲食経験が26歳と、出遅れていることを自覚していた池上氏は、できるだけ多くのものを吸収すべく、「朝日食堂」で修業するかたわら、空いた時間も他の店で働いていた。そこで、近い将来恵比寿に「晩酌屋 おじんじょ」を開く高丸聖次氏と出会い、彼の仕事ぶりやセンスに惚れ込んだ。やがて、高丸氏に「イケ、うちの社員になれよ」と声をかけられたのは2011年のこと。この時、池上氏は29歳、それなりに経験を積んできた自負も芽生え、接客が最大の武器だという自信も後押しして、店長職を志願する。しかし、初めての配属先は売上の芳しくない店だった。それまで繁盛店でしか働いてこなかった池上氏は、不振に陥っている店で結果を出すことの難しさを知る。また、店の長としてスタッフを動かすことにも手を焼いた。マンパワーと勢いだけでは飲食店を経営することができないことを痛感した池上氏は、それから商品力の強いメニューの考案や、チームビルドのノウハウなどを徹底的に学び、7年後、独立の準備を始める。
きんぼし名物の「おばんざい盛り合わせ」。は、季節の野菜をふんだんに使い、毎日品揃えを変えている。
「いよいよ自分の店をやるぞってなったとき、物件がなかなか見つからなかったんです。商品も固まってなくて、1年くらいは色々な場所の色々なものを食べて回っていましたね」
そんな中、インスピレーションを受けたのは、京都の居酒屋で食べたおばんざいだった。季節や地産の野菜が見間麗しく盛り付けられ、見た目も味も楽しめる。豆皿が好きで集めていた池上氏は、おばんざいを盛り付け、漆の盆にのせて提供するスタイルを閃いた。奇しくも、池上氏の妻の実家は秋田の市場で八百屋をやっているので、野菜や果物を仕入れられる。ならば、果物も使って、居酒屋では定番ドリンクのサワーに特徴をつけられる。同じく定番の鶏肉料理も地元関西風のかしわ焼きに。地元ときたなら実家のお好み焼き屋で人気の肉豆腐も出そう。次々にパーツが組み合わさり、名物を「おばんざい」「肉豆腐」「地鶏のかしわ焼き」「季節のサワー」に決めたのだった。
おばんざいは、「つるむらさきササミ胡麻和え」(480円)や「しいたけ甘露煮」(430円)など、10品以上を日替わりで。その中から6品選んでもらって「おばんざい盛り合わせ」(880円~)にすることもできる。また、「肉豆腐~煮込み~」(580円)は、国産の牛スジ肉とバラ肉を甘辛く煮込んで関西風の味わいに。サワーも「広島レモン」(480円)や「赤紫蘇の葉」(480円)、「実さんしょうと木の芽」(580円)など、定番から少し珍しいものまで豊富なラインナップが揃う。焼酎と炭酸の比率を計算し、シュワシュワの気泡が損なわれないよう注ぎ方を工夫するなど、妥協せず商品力の向上にこだわった。これも、修業時代の賜物だ。
そんな中、インスピレーションを受けたのは、京都の居酒屋で食べたおばんざいだった。季節や地産の野菜が見間麗しく盛り付けられ、見た目も味も楽しめる。豆皿が好きで集めていた池上氏は、おばんざいを盛り付け、漆の盆にのせて提供するスタイルを閃いた。奇しくも、池上氏の妻の実家は秋田の市場で八百屋をやっているので、野菜や果物を仕入れられる。ならば、果物も使って、居酒屋では定番ドリンクのサワーに特徴をつけられる。同じく定番の鶏肉料理も地元関西風のかしわ焼きに。地元ときたなら実家のお好み焼き屋で人気の肉豆腐も出そう。次々にパーツが組み合わさり、名物を「おばんざい」「肉豆腐」「地鶏のかしわ焼き」「季節のサワー」に決めたのだった。
おばんざいは、「つるむらさきササミ胡麻和え」(480円)や「しいたけ甘露煮」(430円)など、10品以上を日替わりで。その中から6品選んでもらって「おばんざい盛り合わせ」(880円~)にすることもできる。また、「肉豆腐~煮込み~」(580円)は、国産の牛スジ肉とバラ肉を甘辛く煮込んで関西風の味わいに。サワーも「広島レモン」(480円)や「赤紫蘇の葉」(480円)、「実さんしょうと木の芽」(580円)など、定番から少し珍しいものまで豊富なラインナップが揃う。焼酎と炭酸の比率を計算し、シュワシュワの気泡が損なわれないよう注ぎ方を工夫するなど、妥協せず商品力の向上にこだわった。これも、修業時代の賜物だ。
マリネした骨付き肉をオーブンで焼いた「古白鶏かしわ焼き」は、シンプルな塩ベースの「白」(1380円)と、さまざまなスパイスに漬けこんだ「赤」(1480円)の2種類
「特に大事だと思うのは、チーム・接客・メリハリの3つなのかなと思います」
商売を続けるには、売上や利益などの結果から目をそらせない。今後、法人化し、店舗展開も視野に入れている池上氏にとって、社員の増員、教育をして強固な組織を作ることは重要だ。
「今は、社員とともに、店舗の土台を着実に進めていく段階だと考えています。その中で、彼らが将来独立するときに、いい勉強になる場所だったと思ってもらえたら嬉しいですね」
自身が先輩から学んできたことは、独立を志し、今から飲食を始める人たちにも惜しみなく伝えたいと語る池上氏。さらなる成りあがりを目指す男のもとからは、ひとり、またひとりと、ビッグな店主が生まれるに違いない。
(取材=高橋 健太)
商売を続けるには、売上や利益などの結果から目をそらせない。今後、法人化し、店舗展開も視野に入れている池上氏にとって、社員の増員、教育をして強固な組織を作ることは重要だ。
「今は、社員とともに、店舗の土台を着実に進めていく段階だと考えています。その中で、彼らが将来独立するときに、いい勉強になる場所だったと思ってもらえたら嬉しいですね」
自身が先輩から学んできたことは、独立を志し、今から飲食を始める人たちにも惜しみなく伝えたいと語る池上氏。さらなる成りあがりを目指す男のもとからは、ひとり、またひとりと、ビッグな店主が生まれるに違いない。
(取材=高橋 健太)
写真左から店主の池上善史氏、スタッフの伊藤竜飛氏。伊藤氏は、もちろん独立を目指して修行中だ
【店舗情報】
店名:酒場 きんぼし
住所:東京都渋谷区道玄坂1-16-8常盤ビル1F
アクセス:JR・私鉄各線・地下鉄渋谷駅から徒歩5分
電話:03-6712-7558
営業時間:17:30~24:30(LO24:00)
定休日:無休
坪数客数:11坪27席
客単価:3800円
オープン日:2018年6月20日
店名:酒場 きんぼし
住所:東京都渋谷区道玄坂1-16-8常盤ビル1F
アクセス:JR・私鉄各線・地下鉄渋谷駅から徒歩5分
電話:03-6712-7558
営業時間:17:30~24:30(LO24:00)
定休日:無休
坪数客数:11坪27席
客単価:3800円
オープン日:2018年6月20日
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