更新日:
2023年11月06日
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煮干ブームの仕掛人は年500食のラーメン狂!人気店「一燈」店長を経て独立・蒲田『宮元』
脱サラ前は年間500食のラーメン狂!人気店『一燈』で店長までつとめ独立。蒲田を代表する人気店の店主は、今どのようにラーメンと向き合っているのだろうか——。ラーメンに魅了され、人生を共に歩む覚悟を決めた店主をフィーチャーする連載「麺と生きる」。第2回は、東京・蒲田にある『煮干しつけ麺 宮元』店主の宮元達宏に迫る。(2019年7月25日公開)
- 山川大介
- 大阪出身の自称ラーメン戦士。食べ歩きは10年...
ラーメン界に到来した空前の濃厚煮干しブーム。その中でイチ早く濃厚煮干しスープをつけ麺に取り入れたのが、『煮干しつけ麺 宮元』店主の宮元達宏だ。
看板メニューの「特製極濃煮干つけ麺」は、全国5ヶ所の産地から取り寄せた煮干しをふんだんに使った規格外に濃厚な1杯。連日多くの客が宮本のつけ麺を食べに訪れる。
看板メニューの「特製極濃煮干つけ麺」は、全国5ヶ所の産地から取り寄せた煮干しをふんだんに使った規格外に濃厚な1杯。連日多くの客が宮本のつけ麺を食べに訪れる。
ラーメンフリークの営業マンがラーメンの道を志したワケ

『煮干しつけ麺 宮元』店主 宮元達宏
ラーメンの世界に入るまでは、営業マンだった宮元。
サラリーマン時代は、年間500杯ものラーメンを食べる自他ともに認めるラーメンフリークだったという。
「ラーメンを食べ歩いているうちに、自分でラーメンを本気で作りたいという気持ちが強くなって、気づいたときにはラーメンの世界へ飛び込んでいました」
サラリーマン時代は、年間500杯ものラーメンを食べる自他ともに認めるラーメンフリークだったという。
「ラーメンを食べ歩いているうちに、自分でラーメンを本気で作りたいという気持ちが強くなって、気づいたときにはラーメンの世界へ飛び込んでいました」
過酷すぎる修行でノイローゼ状態に
宮元が最初の修行先に選んだのは『麺屋こうじグループ』。
かの有名な『東池袋大勝軒』山岸一雄の教えを継承し、数多くの有名店を輩出してきたラーメンカンパニーだ。
宮元が弟子入りしたのは、東京のつけ麺でNo.1の呼び声が高い名店『麺屋一燈』だった。
かの有名な『東池袋大勝軒』山岸一雄の教えを継承し、数多くの有名店を輩出してきたラーメンカンパニーだ。
宮元が弟子入りしたのは、東京のつけ麺でNo.1の呼び声が高い名店『麺屋一燈』だった。

『麺屋一燈』修行時代の宮元達宏(写真右)
修行は想像を絶する厳しさだった。
『麺屋一燈』で1日に出るラーメンの数は300食以上。至極の一杯を求めて連日店の前には長い行列ができる。多いときには3時間以上も待つほどだった。
営業が終わったら、休む間もなく翌日の仕込みを行わなければならない。宮元は寝る間もなく仕込みを続けた。
「あまりにも過酷すぎて、大好きなラーメンも食べられなくなりました。気づいたときには半ばノイローゼ状態に陥っていましたね」
宮元は『麺屋一燈』での修行を断念。それでもラーメンを捨てきれなかった宮元は、煮干しラーメンの名店『ラーメン凪』の門を叩いた。
再び修行を重ねる宮元だったが、子供が生まれたことで状況が一変する。
当時の身分はアルバイト。宮本の給料では、とても家族を養っていけなかった。
「俺もここまでか……」
宮元は再びサラリーマンに戻ることを選択する。
それは、長年の夢を諦める苦渋の決断だった。
『麺屋一燈』で1日に出るラーメンの数は300食以上。至極の一杯を求めて連日店の前には長い行列ができる。多いときには3時間以上も待つほどだった。
営業が終わったら、休む間もなく翌日の仕込みを行わなければならない。宮元は寝る間もなく仕込みを続けた。
「あまりにも過酷すぎて、大好きなラーメンも食べられなくなりました。気づいたときには半ばノイローゼ状態に陥っていましたね」
宮元は『麺屋一燈』での修行を断念。それでもラーメンを捨てきれなかった宮元は、煮干しラーメンの名店『ラーメン凪』の門を叩いた。
再び修行を重ねる宮元だったが、子供が生まれたことで状況が一変する。
当時の身分はアルバイト。宮本の給料では、とても家族を養っていけなかった。
「俺もここまでか……」
宮元は再びサラリーマンに戻ることを選択する。
それは、長年の夢を諦める苦渋の決断だった。
人生を変えた恩師からの一本の電話
ある日宮元のもとに、突然1本の電話がかかる。
電話の主は『麺屋一燈』の修行時代の恩師であり、『麺屋こうじグループ』の代表、坂本幸彦氏だった。
坂本氏は、修行時代の宮元を誰よりも高く評価していたという。
新店舗の出店にあたり、あらためて宮元に白羽の矢が立ったのだ。
電話の主は『麺屋一燈』の修行時代の恩師であり、『麺屋こうじグループ』の代表、坂本幸彦氏だった。
坂本氏は、修行時代の宮元を誰よりも高く評価していたという。
新店舗の出店にあたり、あらためて宮元に白羽の矢が立ったのだ。

「自分なんかをまた誘ってくれたことが本当に嬉しくて、ひとり男泣きしました。しかし一度は背を向けた修行先。その場では即答できず、返事を待ってほしいと伝えました」
帰宅した宮元が、妻にこのことを相談すると意外な答えが返ってきた。
「戻ったほうがいいと思う。だって、一燈にいつか恩返ししたいって言ってたじゃん」
宮元はハッとした。
「お世話になった麺屋一燈に対して、自分が成功することが恩返しだと思っていました。強がって店を飛び出した手前、合わせる顔もないですし。でもこうしてまた、自分なんかを誘ってくれた。今の自分にできる恩返しは、店に戻って手伝うことなんだと」
宮元は再び、『麺屋一燈』に戻ることを決意した。
帰宅した宮元が、妻にこのことを相談すると意外な答えが返ってきた。
「戻ったほうがいいと思う。だって、一燈にいつか恩返ししたいって言ってたじゃん」
宮元はハッとした。
「お世話になった麺屋一燈に対して、自分が成功することが恩返しだと思っていました。強がって店を飛び出した手前、合わせる顔もないですし。でもこうしてまた、自分なんかを誘ってくれた。今の自分にできる恩返しは、店に戻って手伝うことなんだと」
宮元は再び、『麺屋一燈』に戻ることを決意した。
かつての修行先に戻ると凄まじい快進撃を見せる

『ラーメン燈郎』店長時代の宮元達宏(写真右)
かつての修行先に戻る決意をした宮元。そこからの快進撃は凄まじかった。
『麺屋一燈』の2号店『ラーメン燈郎』の店長にいきなり抜擢。持ち前の実直さと明るさを武器にスタッフからの人望を集めた。またたく間に店は、『麺屋一燈』に次ぐ人気店へと成長する。
その功績が評価され、ついには『麺屋一燈』本店の店長に就任。
2015年4月には念願の独立を果たし、蒲田に『煮干しつけ麺 宮元』をオープン。『麺屋一燈』初の独立という快挙に大きな注目が集まった。
『麺屋一燈』の2号店『ラーメン燈郎』の店長にいきなり抜擢。持ち前の実直さと明るさを武器にスタッフからの人望を集めた。またたく間に店は、『麺屋一燈』に次ぐ人気店へと成長する。
その功績が評価され、ついには『麺屋一燈』本店の店長に就任。
2015年4月には念願の独立を果たし、蒲田に『煮干しつけ麺 宮元』をオープン。『麺屋一燈』初の独立という快挙に大きな注目が集まった。
食べる者を驚愕の域に誘う超濃厚煮干し

宮元が主力メニューに選んだのは、濃厚煮干し系。
規格外に濃厚なスープは、ラーメンシーンに大きな衝撃を与えた。
「特製極濃煮干つけ麺」は、長崎や広島、千葉など全国5ヶ所の産地で穫れる煮干しを存分に使った1杯だ。
セグロ、シロクチ、ヒラゴといった3種類の煮干しを前日に水出し、当日弱火でじっくりと火入れしていく。
1杯に使われる煮干しは、およそ80〜100g。通常のラーメンで使う量の10倍以上にあたる。
規格外に濃厚なスープは、ラーメンシーンに大きな衝撃を与えた。
「特製極濃煮干つけ麺」は、長崎や広島、千葉など全国5ヶ所の産地で穫れる煮干しを存分に使った1杯だ。
セグロ、シロクチ、ヒラゴといった3種類の煮干しを前日に水出し、当日弱火でじっくりと火入れしていく。
1杯に使われる煮干しは、およそ80〜100g。通常のラーメンで使う量の10倍以上にあたる。
宮元達宏にとってラーメンとは

「私にとってラーメンとは”ご縁”です。修行時代に自分を育ててくれた師匠をはじめ、いつもラーメンを食べに来てくださるお客様など、さまざまな”ご縁”があったからこそ、今の自分があると思っています」
閉店間際になると自ら店の外に立ち、ラーメンを食べ終わった客ひとりひとりに感謝の気持ちを伝えていた宮元の姿が印象的だった。
「今後の目標は、オンリーワンなラーメンを作り続けること。自分にしか作れない1杯を目指して、これからも日々精進したいと思います」
閉店間際になると自ら店の外に立ち、ラーメンを食べ終わった客ひとりひとりに感謝の気持ちを伝えていた宮元の姿が印象的だった。
「今後の目標は、オンリーワンなラーメンを作り続けること。自分にしか作れない1杯を目指して、これからも日々精進したいと思います」

宮元 達宏
1988年東京都葛飾区生まれ。サラリーマン時代は、年間500杯食べるラーメンフリークだった。好きがこうじてラーメン界の門を叩き、『ラーメン凪(新宿)』、『麺屋一燈(新小岩)』などで修行し、2015年4月に独立。蒲田に『煮干しつけ麺 宮元』をオープンした。
1988年東京都葛飾区生まれ。サラリーマン時代は、年間500杯食べるラーメンフリークだった。好きがこうじてラーメン界の門を叩き、『ラーメン凪(新宿)』、『麺屋一燈(新小岩)』などで修行し、2015年4月に独立。蒲田に『煮干しつけ麺 宮元』をオープンした。
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- 山川大介
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