更新日:
2020年11月28日
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激辛だけど激ウマ!田端『ポム タイ料理』の元大使館勤務のシェフが作る本格南タイ料理
タイ料理は数あれど、南タイの料理は格別に辛いってご存知ですか?田端の『ポム タイ料理』は南タイ出身のシェフの手による本格的な南タイ料理が美味しいお店です。——日本の日常に溶け込んだ異国の料理店を訪ねる連載『辺境食堂』第8回です。(2019年11月13日公開)
- 熊崎敬
- サッカーを中心に取材、執筆を続けるスポーツラ...
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東京でも珍しい南タイ料理専門店、田端『ポム タイ料理』
いたるところにタイ・レストランがある東京。しかし、タイ南部の料理が食べられるレストランは、まだまだ数少ないという。

田端駅近くのタイ料理レストラン『ポム タイ料理』は、タイ南部の本場メシが食べられる名店。そしてこの店には、名物の激辛料理があるという。
その名は「クアクリング」。聞き慣れない名前、そしてメニューに描かれた辛さの指標、10本フルマークの赤唐辛子が気になり、迷わず注文する。
初対面の「クアクリング」は、見た目はドライカレーのよう。鮮やかなカレーの色が食欲をそそる。
その名は「クアクリング」。聞き慣れない名前、そしてメニューに描かれた辛さの指標、10本フルマークの赤唐辛子が気になり、迷わず注文する。
初対面の「クアクリング」は、見た目はドライカレーのよう。鮮やかなカレーの色が食欲をそそる。
タイでも北部の人には敬遠される辛さの名物「クアクリング」

早速、ひと口食べてみると「あれ? 全然辛くないじゃん」。
拍子抜けしたのも束の間、ちょっと遅れて舌がピリピリしびれ出し、ひたいから汗が噴き出してきた。
うひゃー! これは聞きしに勝る辛さだ!
「辛い辛い辛い!」と騒ぎ出した私を見て、タイ人の女性店員が笑いながら言った。
「すごく辛いでしょ? これはタイでも南の料理で、バンコクや北部の人には食べられない人も多いです。実は私もそうなんですよ」
それなら日本人が悲鳴を上げるのも当たり前。だが、なぜか手が止まらない。激辛だが、やみつきになる辛さなのだ。
拍子抜けしたのも束の間、ちょっと遅れて舌がピリピリしびれ出し、ひたいから汗が噴き出してきた。
うひゃー! これは聞きしに勝る辛さだ!
「辛い辛い辛い!」と騒ぎ出した私を見て、タイ人の女性店員が笑いながら言った。
「すごく辛いでしょ? これはタイでも南の料理で、バンコクや北部の人には食べられない人も多いです。実は私もそうなんですよ」
それなら日本人が悲鳴を上げるのも当たり前。だが、なぜか手が止まらない。激辛だが、やみつきになる辛さなのだ。

▲クアクリングは本場でもこうしてご飯と一緒に食べることが多い
「クアクリング」は、いわば「豚ひき肉のスパイス炒め」。
トムヤンクンやグリーンカレーに欠かせないバイマックル(こぶみかん)やウコン、ターメリックといった数々のスパイスが、「カピ」と呼ばれるエビの発酵調味料と混ざり合い、辛味と旨味が混然一体となって押し寄せてくる。ライスやビールとの相性は抜群。これを目当てに来店するお客さんが多いのも納得だ。
この店のオーナーシェフであるポムさんが教えてくれた。
トムヤンクンやグリーンカレーに欠かせないバイマックル(こぶみかん)やウコン、ターメリックといった数々のスパイスが、「カピ」と呼ばれるエビの発酵調味料と混ざり合い、辛味と旨味が混然一体となって押し寄せてくる。ライスやビールとの相性は抜群。これを目当てに来店するお客さんが多いのも納得だ。
この店のオーナーシェフであるポムさんが教えてくれた。
タイ南部育ちのオーナーシェフが家庭の味を再現

▲白い眼鏡と帽子がトレードマークのポムさん
「クアクリングはタイ南部特有の家庭料理。私が生まれ育ったスーラ・ターニという町でも、みんな食べていました。日本風に言うとおふくろの味かな? それぞれの家庭に伝わる、独特の味つけがあるんです」
スーラ・ターニは、リゾート地として知られるサムイ島に近い港町。食事どきになると、クアクリングのスパイスの香りが路地に漂うのだという。
スーラ・ターニは、リゾート地として知られるサムイ島に近い港町。食事どきになると、クアクリングのスパイスの香りが路地に漂うのだという。

▲スーラ・ターニはタイ南部の海に突き出た半島に位置する
故郷スーラー・ターニや首都バンコクのレストランで腕を磨いていたポムさんが、日本にやって来たのは2000年のこと。その来日の理由がなんともいい。
「バンコクのレストランで働いていたときに、日本人のお客さんがたくさん来られました。ときどきスパイスについてたずねられるのですが、上手く説明できない。自分のつくる料理をちゃんと説明したいと思い、日本語を学ぶために日本に来たのです」
自分の仕事を外国人に伝えたくて、わざわざ外国に留学する。その熱意にはただただ頭が下がるばかりだ。
「バンコクのレストランで働いていたときに、日本人のお客さんがたくさん来られました。ときどきスパイスについてたずねられるのですが、上手く説明できない。自分のつくる料理をちゃんと説明したいと思い、日本語を学ぶために日本に来たのです」
自分の仕事を外国人に伝えたくて、わざわざ外国に留学する。その熱意にはただただ頭が下がるばかりだ。
大使館のパーティでVIPをもてなしてきた腕前

▲充実したランチの一例『グリーンカレー+ガパオ』900円(税込)。生春巻きとスープ、デザートまで付いてとてもお得
しかし、日本での生活は思い描いた通りにはならなかった。
言葉を学ぶために来日したのに、気がつけば一日中料理ばかりつくっていた。その腕を見込まれて、たくさんのタイ・レストランからひっぱりだこになったからだ。一日に朝昼晩と3つの店を掛け持ちしていた時期もある。
「それは大変でしたねえ」と言うと、ポムさんはにこやかな表情で「いいえ」と首を振った。
「私は料理が大好きだし、日本のタイ・レストランはそれぞれの味を大切にしていて、働きながらそれらを勉強するのが楽しかったんです」
言葉を学ぶために来日したのに、気がつけば一日中料理ばかりつくっていた。その腕を見込まれて、たくさんのタイ・レストランからひっぱりだこになったからだ。一日に朝昼晩と3つの店を掛け持ちしていた時期もある。
「それは大変でしたねえ」と言うと、ポムさんはにこやかな表情で「いいえ」と首を振った。
「私は料理が大好きだし、日本のタイ・レストランはそれぞれの味を大切にしていて、働きながらそれらを勉強するのが楽しかったんです」

▲こちらランチメニューの「パッタイ」900円(税込)。ほかにカオマンガイやトムヤムクンラーメンなども人気
やがて、料理の腕とまじめな人柄を見込まれ、タイ大使館からパーティがあるたびに料理を頼まれるようになった。
故郷の味を大切にするポムさんの料理は、タイ本国からのVIPや日本の来賓の舌をうならせてきたのだ。
日本が大好きになったポムさんは2017年、長年の夢をかなえる。田端駅前の住宅街に自らの名前をつけた店を開いた。それがこの『ポム タイ料理』だ。
故郷の味を大切にするポムさんの料理は、タイ本国からのVIPや日本の来賓の舌をうならせてきたのだ。
日本が大好きになったポムさんは2017年、長年の夢をかなえる。田端駅前の住宅街に自らの名前をつけた店を開いた。それがこの『ポム タイ料理』だ。
味は本格的なのに、ランチやお弁当がお得すぎ!

『ポム タイ料理』はパッタイやグリーンカレーといったポピュラーなタイ料理に加えて、クアクリングのような南部の味が楽しめる貴重な店。故郷の味を懐かしんで遠方から通うタイ人、辛いもの好きな日本人のエスニック愛好家が噂を聞きつけて来店する。
またボリューム満点、6種の500円弁当も好評で、地元、田端の人々にも支持されている。
真っ白なコック服に身を包み、にこやかに厨房で腕を振るうポムさん。アットホームな田端の店は、今日も新鮮なスパイスの香りに包まれている。
またボリューム満点、6種の500円弁当も好評で、地元、田端の人々にも支持されている。
真っ白なコック服に身を包み、にこやかに厨房で腕を振るうポムさん。アットホームな田端の店は、今日も新鮮なスパイスの香りに包まれている。

- 熊崎敬
- サッカーを中心に取材、執筆を続けるスポーツライター。海外に出かけては草サッカー見物やスタジアム巡りに精を出している。著書に『サッカーことばランド』(ころから)、『カルチョの休日』(内外出版)など。趣味は草野球。 「FC ROJI」https://fcroji.com/
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