更新日:
2020年04月01日
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西荻窪の「サレカマネ」の二店舗目「サレサイドサカエ」がオープン。
2月15日、西荻窪に立飲み「サレサイドサカエ」がオープンした。同店から徒歩1分の場所にある「サレカマネ」を経営する佐藤格之氏による二店舗目だ。ブラジルからインスパイヤされた異国情緒あふれる開放的な空間と、客単価2000円前後のリーズナブルな値段設定の料理と酒で、飲み屋激戦区の西荻窪で勝負をかける。
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飲食の人材派遣会社や、吉祥寺ハモニカ横丁の酒場で経験を積み独立
20歳の頃、地元の福島から上京して西荻窪で暮らし始めた佐藤格之氏。「背伸びして通っていたバーでお酒の楽しさを知った」と、飲食の道を志し、西荻窪の居酒屋でアルバイトを始めた。その後、23歳の頃に飲食の人材派遣会社に就職。登録したスタッフを現場に送り出す業務が基本ではあったが、人員が足りない時には自身が現場に出張ることもあり、多忙な日々を過ごしていた。そこで5年間ほど勤務する中で、佐藤氏は徐々に独立を考えるようになる。独立前の資金稼ぎとスキルアップを目的に、「ポヨ」や「アヒルビアホール」など、吉祥寺のハモニカ横丁や三鷹を中心に飲食店を展開するVIC(武蔵野市吉祥寺、代表取締役:手塚一郎氏)に入社した。3年間で店長業務も経験し、店舗の全体的なマネジメントを習得。同社で出会った妻とともに、物件探しを開始。「10代の頃から飲食の現場に立っていた妻の存在なしには、今経営している2店舗の存在はありませんでした」と、語る。

明るいイエローをアクセントに、全面ガラス張りで、店内の様子が見えるファサード。夏場には扉を開放する予定で、テラスでの飲食も可能だ
旅行で渡ったブラジルで見た、現地の酒場の雰囲気を西荻窪で再現
当初は馴染みの深い吉祥寺で物件探しをするも、なかなか条件に見合うものが見つからず、加えて、店舗のコンセプトも具体的に固められずに、悶々とする日々を過ごしていたという。折しも時は2014年。無類のサッカー好きである佐藤氏は、いったん開業準備を中断し、妻とともにFIFAワールドカップに湧くブラジルへ飛んだ。そこで不意に訪れた現地のポルトガル料理店で、方向性が定まったという。「その店は立ち飲みスタイルで、外まで人があふれて賑わっていました。南米の陽気なラテンのノリに、色々な国の文化が加わった独特の風情があり、こういった雑多で楽しいお店を作りたいなと思ったんです」と、佐藤氏。帰国後、幸運にもすぐさま西荻窪で物件が見つかり、自身が感銘を受けたブラジルの文化に、和洋のテイストを加えた立ち飲みバー「サレカマネ」をオープンした。2014年11月のことだ。
しかし、順調だった物件選びに反して、開業後は思うような結果が出せなかった。当初、つまみ一品に対してドリンク二杯の注文を想定したメニュー構成だったが、予想外につまみの出数が先行し、酒の伸びが悪かった。これでは、安価につまみを出している意味が薄れ、利益がなかなかとれない。さらに、回転率が悪く、本当に意図する立ち飲みの客層へのアプローチも難しい状況に陥っていた。悩みに悩んだ佐藤氏は、ハウスルールを設けることを決意。国内外の様々な店舗の在り方を学び、自身で統合した結果「最初の食事オーダーは二品まで、以降食事一品オーダーにつきドリンク一杯」と定めた。「単価を上げたい、というよりは、店とお客様が互いの意図していることを理解したうえで、楽しんでいける関係性を作りたいと思ったんです」と、佐藤氏。結果、酒の出数は伸び、回転率も上がったことで、客数と単価は増加。間口を狭め、お客を選んだことで「食事処」ではなく「酒場」としての在り方を浸透させることができたのだった。
しかし、順調だった物件選びに反して、開業後は思うような結果が出せなかった。当初、つまみ一品に対してドリンク二杯の注文を想定したメニュー構成だったが、予想外につまみの出数が先行し、酒の伸びが悪かった。これでは、安価につまみを出している意味が薄れ、利益がなかなかとれない。さらに、回転率が悪く、本当に意図する立ち飲みの客層へのアプローチも難しい状況に陥っていた。悩みに悩んだ佐藤氏は、ハウスルールを設けることを決意。国内外の様々な店舗の在り方を学び、自身で統合した結果「最初の食事オーダーは二品まで、以降食事一品オーダーにつきドリンク一杯」と定めた。「単価を上げたい、というよりは、店とお客様が互いの意図していることを理解したうえで、楽しんでいける関係性を作りたいと思ったんです」と、佐藤氏。結果、酒の出数は伸び、回転率も上がったことで、客数と単価は増加。間口を狭め、お客を選んだことで「食事処」ではなく「酒場」としての在り方を浸透させることができたのだった。

以前入っていた居酒屋チェーンの長いカウンターを、壁に添ってさらに伸ばし、飲食スペースを広げた。入口付近には丸テーブルも設置。BGMは、カウンター内にあるレコードプレイヤーで、気まぐれに流す
徒歩1分圏内にて、二店舗目オープン。似て非なる店づくりで、新たな客層を狙う
「サレカマネ」の調子が良くなる一方で、佐藤氏は物件に対する懸念があった。時期は未定だが、遠くない将来に老朽化対策に建て直しの予定があり、その時に備えて、もうひとつ拠点となる場所を作っておきたいと考え始める。そんな折、一店舗目から50メートルも離れていない場所に空き物件が出現。これを好機とみて契約し、一店舗目の常連だった平野栄江氏を店長に迎え、二店舗目の「サレサイドサカエ」のオープンに至る。南米の雰囲気を意識した異国情緒あふれる店内や、立ち飲みスタイルなど、全体的なコンセプトは一店舗目を踏襲しつつ、酒や料理はほぼ一新。一名客の利用が多かった一店舗目と比べ、グループで利用するお客も狙い、使い分けができるようにしている。
ドリンクは、新宿の老舗「Jazz Café & Bar Dug」に長年勤めていた平野氏が考案した高知県産の無農薬泥付き生姜を使った「泥生姜サワー」(550円)が看板。それに加え、日替わりの日本酒(半合500円~、一合850円~)や、氷詰めの樽でキンキンに冷やした「ハートランド」(650円)や「クラシックラガー」(650)などの瓶ビール類、ワイン類(グラス600円~)やウイスキー各種(600円~)、カクテル各種(500円~)など、幅広い酒が品書きに並ぶ。
ドリンクは、新宿の老舗「Jazz Café & Bar Dug」に長年勤めていた平野氏が考案した高知県産の無農薬泥付き生姜を使った「泥生姜サワー」(550円)が看板。それに加え、日替わりの日本酒(半合500円~、一合850円~)や、氷詰めの樽でキンキンに冷やした「ハートランド」(650円)や「クラシックラガー」(650)などの瓶ビール類、ワイン類(グラス600円~)やウイスキー各種(600円~)、カクテル各種(500円~)など、幅広い酒が品書きに並ぶ。

「はちみつ鶏のローズマリー唐揚げ」には「泥生姜サワー」を合わせて頼むお客が多い。「底に生姜シロップが残したまま、レモンサワーをおかわりするのが通なんですよ」と、佐藤氏
料理は、南米に限らず各国の郷土料理や、定番の居酒屋メニューにひと手間加え、オリジナリティを出したものを提供。和洋折衷多岐に渡るラインナップで揃えている。人気の「はちみつ鶏のローズマリー唐揚げ」(650円)や「ねぎトロいぶりがっこやっこ」(650円)、「ブロッコリーペペロンチーノ」(400円)など、2店舗目オリジナルメニューを中心にしつつ、「ブラジルの揚げパイ パステウ」(600円)のような、一店舗目で人気だったメニューも品書きに並ぶ。また、旬の魚を使った干物など、日替わりメニューも用意し、お客を飽きさせないよう工夫している。

オリーブやタマネギなどと一緒に炒めたひき肉をパイ状の生地で包み、オーブン焼きにしたブラジルの郷土料理「パステウ」
先を見据えつつも、急ぎすぎず。常に試行錯誤しながら店舗経営を
今後について、まずは長期的な経営に注力することを考えていると言う佐藤氏。特に、一店舗目で酒場としてのスタイルが認識されるまでの悪戦苦闘した経験があったからこそ、二店舗目は新たなアプローチを考えている。「一店舗目のお客様は、お酒を飲みなれていた方が多かったんです。ハウスルールが浸透したのはそのおかげだろうと感じています。一方で二店舗目は、酒場慣れしていない人でも楽しめるような、広く、ゆるく、優しい店づくりをしてみようかと模索しています」。スタッフの育成や単価アップのためのメニューの考案など、次のステップへの試行錯誤に余念がない佐藤氏。今後の展開が楽しみだ。
(取材=高橋 健太)
(取材=高橋 健太)

写真右から代表の佐藤格之氏と、店長の平野栄江氏。店内の酒のラインナップは、15年間にわたり酒も扱う老舗喫茶酒場で働いてきた平野氏が、中心となって選定をしている
【店舗情報】
店名:サレサイドサカエ
住所:杉並区西荻北3-20-7
アクセス:JR西荻窪駅から徒歩2分
電話:未開通(03-6915-0400:サレカマネ)
営業時間:【平日】17:00~24:00 【土曜日・祝日】16:00~24:00 【日曜日】16:00~23:00
定休日:火曜日
坪数客数:11坪35名(立ち飲み)
客単価:1850円
オープン日:2020年2月15日
店名:サレサイドサカエ
住所:杉並区西荻北3-20-7
アクセス:JR西荻窪駅から徒歩2分
電話:未開通(03-6915-0400:サレカマネ)
営業時間:【平日】17:00~24:00 【土曜日・祝日】16:00~24:00 【日曜日】16:00~23:00
定休日:火曜日
坪数客数:11坪35名(立ち飲み)
客単価:1850円
オープン日:2020年2月15日
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