更新日:
2020年06月06日
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「居酒屋やーめた!!」鶯谷『ゔぃゔぃ庵』がコロナを生き抜くため魚屋に転業した理由とは
「居酒屋やめて、魚屋になります!」緊急事態宣言下の現状とアフターコロナの未来を見据え、鶯谷の居酒屋『ゔぃゔぃ庵』は5月上旬、宣言通り鮮魚店に業態を変えた。まだ手探りだと言いながら扱う魚は本格鮮魚店そのもので、すでに必要な機器も購入済み。18年間居酒屋を続けてきた店主が大きな決断を下した理由を聞いた。(2020年5月21日公開)
- SAI
- favy編集部のオジさん担当。
居酒屋やめて、魚屋になります!
「居酒屋やーめた!!」
コロナ禍の直撃を受け、そんな衝撃的なフレーズを掲げて居酒屋から転業した鮮魚店がある。
鶯谷駅からほど近い『ゔぃゔぃ庵』。魚料理、とりわけ刺身が名物で、地元に密着した創業18年めの居酒屋だった。
店主は井上直人さん。学生時代はレスリングに打ち込んだという40代はじめの男性である。
コロナ禍の直撃を受け、そんな衝撃的なフレーズを掲げて居酒屋から転業した鮮魚店がある。
鶯谷駅からほど近い『ゔぃゔぃ庵』。魚料理、とりわけ刺身が名物で、地元に密着した創業18年めの居酒屋だった。
店主は井上直人さん。学生時代はレスリングに打ち込んだという40代はじめの男性である。
「見ての通り魚屋です。まだ店舗は改装中といったところですが、もう冷蔵ショーケースも購入しちゃったので引き返せないですね(笑)。
隣がスーパーなので、あちらで取り扱いが少ない本マグロとか、貝類、魚のアラを揃えるようにしています」
隣がスーパーなので、あちらで取り扱いが少ない本マグロとか、貝類、魚のアラを揃えるようにしています」
「スーパーには並ばない魚を揃えています」
店内の設えは確かに急場しのぎな感もあるが、ショーケースの中はまさに鮮魚店。本マグロ、サーモンに鯛、刺身の盛り合わせ。どれも価格のわりに盛りっぷりがいい。
「夕方になれば煮魚やフライなど、調理した魚も並びますし、ご希望に応じて魚を捌きます。魚屋としてのウリは、魚の質と鮮度、それに切りたての刺し身を提供できることです。
御用聞きというか、行けると判断した場所であれば、配達もしますよ。バイクも買いました」
御用聞きというか、行けると判断した場所であれば、配達もしますよ。バイクも買いました」
取材時点で、鮮魚店としての営業を始めてから10日程度。大々的なPRまで手が回っていないこともあり、居酒屋時代の売上には遠く及ばない状況だ。
それにしても居酒屋から鮮魚店とは、関連がありそうでいて実は大きな決断だ。
「緊急事態宣言が発令された4月上旬から客足はぱったりでした。前年比で言ったら売上は2割程度。うちのお客さんは近隣で勤める方が多かったのですが、その人たちが来ない。
ランチ営業やお弁当も忙しくしていましたが、当然そっちもさっぱり。深夜帯になると地元の人たちが増えるのが常でしたが、その人たちもやっぱり来ないんです」
それにしても居酒屋から鮮魚店とは、関連がありそうでいて実は大きな決断だ。
「緊急事態宣言が発令された4月上旬から客足はぱったりでした。前年比で言ったら売上は2割程度。うちのお客さんは近隣で勤める方が多かったのですが、その人たちが来ない。
ランチ営業やお弁当も忙しくしていましたが、当然そっちもさっぱり。深夜帯になると地元の人たちが増えるのが常でしたが、その人たちもやっぱり来ないんです」
「魚屋」への転身を決意した理由
それでもスタッフ3人の雇用を守らなければならない。
客足が遠のいた頃から打開策を考えはじめ、4月中旬からいったん休業。5月上旬に鮮魚店として営業を始めた。
「実は西日暮里で『元気な魚屋さん』という店も営んでまして、そちらは言わば『魚屋がはじめた居酒屋』なんです。魚屋プラス角打ちとでもいいましょうか。
幸いそちらが好評を頂いていたので、魚屋になるという考え方は、ある意味当然の流れでした」
客足が遠のいた頃から打開策を考えはじめ、4月中旬からいったん休業。5月上旬に鮮魚店として営業を始めた。
「実は西日暮里で『元気な魚屋さん』という店も営んでまして、そちらは言わば『魚屋がはじめた居酒屋』なんです。魚屋プラス角打ちとでもいいましょうか。
幸いそちらが好評を頂いていたので、魚屋になるという考え方は、ある意味当然の流れでした」
聞けば井上さん、ご実家も鮮魚店で、お兄さんは豊洲市場の関係者。自身も好きが高じて居酒屋を開いたクチで、もともと魚を扱う素養を持っていたのだ。
とはいえ、鮮魚店としてやっていけるのかどうか、まだまだ見通しは立たない。
「もし緊急事態宣言が解除されたとしても、すぐに客足が戻ってくるとは思えないし、うちみたいな小さい店はすぐに『密』状態ができてしまう。冬にドアを開けて営業なんて無理ですからね……状況の変化にあわせて、いろいろと考えていくしかありません。しばらくはやっぱり魚屋としてやっていくと思います」
とはいえ、鮮魚店としてやっていけるのかどうか、まだまだ見通しは立たない。
「もし緊急事態宣言が解除されたとしても、すぐに客足が戻ってくるとは思えないし、うちみたいな小さい店はすぐに『密』状態ができてしまう。冬にドアを開けて営業なんて無理ですからね……状況の変化にあわせて、いろいろと考えていくしかありません。しばらくはやっぱり魚屋としてやっていくと思います」
時代を捉えた飲食店の進化
取材後、筆者は「刺盛り」を購入して自宅で楽しんだが、本まぐろにサーモン、イカにタコと、質にも量にも大満足。これで680円はお得だと素直に感じた。
それでも、鮮魚店としての経営が成り立つか、まだ誰にも分からない。
だが筆者の目には、井上さんの新しい試みが飲食店の「進化」だと映る。今後『ゔぃゔぃ庵』がどんな「魚屋」になるのか、その行く末に注目したい。
それでも、鮮魚店としての経営が成り立つか、まだ誰にも分からない。
だが筆者の目には、井上さんの新しい試みが飲食店の「進化」だと映る。今後『ゔぃゔぃ庵』がどんな「魚屋」になるのか、その行く末に注目したい。
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