更新日:
2020年11月28日
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浅草橋ガード下の『ひさご』は、自家製麺の旨いそばを引き立てるトークが絶妙
人気のある店は、料理がおいしいだけでなく、雰囲気がいいことが多い。浅草橋にある老舗の立ち食いそば店『ひさご』もそうだ。そばはもちろんおいしいのだが、なにより大将の八ちゃんと女将さんのキャラ、トークが最高なのだ。浅草橋には立ち食いそば店が数多くあるが、その雰囲気が好きで『ひさご』に通う常連客は多い。(2019年11月5日公開)
- 東京ソバット団
- 本橋隆司=美味い立ち食いそばを求めて西へ東へ...
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そば・ツユ・天ぷら、絶妙なバランスがうまい『ひさご』の天ぷらそば

立ち食いそば店が多く並ぶ浅草橋。そんな激戦区で昔から人気なのが『ひさご』だ。
色こそ濃いツユはいかにも老舗の立ち食いそばらしいが、よくあるかえしがガツンとくるタイプではなく、まろみがありつつスッキリと後味がいい。舌になじんでくるような味わいで、ついゴクゴクと飲みたくなってしまうほどだ。
色こそ濃いツユはいかにも老舗の立ち食いそばらしいが、よくあるかえしがガツンとくるタイプではなく、まろみがありつつスッキリと後味がいい。舌になじんでくるような味わいで、ついゴクゴクと飲みたくなってしまうほどだ。

天ぷらそば(360円)に乗る天ぷらは、衣が多めで小エビがちょっと。
かき揚げの命である衣は、油切れよくふわっとしていて、ツユになじませるとモッチリしてくるのがたまらない。天抜きで食べたいほどのうまさなのだ。
かき揚げの命である衣は、油切れよくふわっとしていて、ツユになじませるとモッチリしてくるのがたまらない。天抜きで食べたいほどのうまさなのだ。

そしてなによりうまいのがそば。
じつはかなり狭い店舗なのだが、店内で製麺している。ちょっと太めで存在感のあるそばは、歯ごたえ良くしっかりした味わいがある。他の店より長めで、こいつをズズズッと思い切りすするのが気持ちいい。
そばとツユと天ぷら、そのどれもが主張しすぎることなく見事にバランスの取れた、完璧と言いたくなる一杯なのだ。
じつはかなり狭い店舗なのだが、店内で製麺している。ちょっと太めで存在感のあるそばは、歯ごたえ良くしっかりした味わいがある。他の店より長めで、こいつをズズズッと思い切りすするのが気持ちいい。
そばとツユと天ぷら、そのどれもが主張しすぎることなく見事にバランスの取れた、完璧と言いたくなる一杯なのだ。
店主と女将さんの和やかなトークについつい長居してしまう

さて、激戦区で人気を保つには、そばがおいしいにプラス、なにか魅力がなければならない。
『ひさご』の場合、それは店の大将の八っちゃんの人柄、そしてトークだろう。
常連さんたちと繰り広げられる冗談交じりの会話(交じりというか9割が冗談)は、地元の話から時事ネタ、スポーツまで幅広く、なんとも軽妙。
そこに時たま女将さんのツッコミが入ると、ほぼ漫才。それを聞きながら食べるのが楽しくて、立ち食いそばなのに、ついつい長居したくなるほどだ。
『ひさご』の場合、それは店の大将の八っちゃんの人柄、そしてトークだろう。
常連さんたちと繰り広げられる冗談交じりの会話(交じりというか9割が冗談)は、地元の話から時事ネタ、スポーツまで幅広く、なんとも軽妙。
そこに時たま女将さんのツッコミが入ると、ほぼ漫才。それを聞きながら食べるのが楽しくて、立ち食いそばなのに、ついつい長居したくなるほどだ。

立ち食いそばは急いでいるお客さんが多いため、緊張感の漂っている店もあるのだが、この『ひさご』は違う。
八っちゃんの人柄、トークのおかげで、どこかなごやかな雰囲気が漂っているのだ。
入ってくるお客さんを見ていると、店に入ったとたん、急に表情がゆるむような気がする。心がガサガサしているときも、『ひさご』に行けば、みんなゆるっとした気分になれるのだ。
八っちゃんの人柄、トークのおかげで、どこかなごやかな雰囲気が漂っているのだ。
入ってくるお客さんを見ていると、店に入ったとたん、急に表情がゆるむような気がする。心がガサガサしているときも、『ひさご』に行けば、みんなゆるっとした気分になれるのだ。
東京オリンピック以前から守り継がれるツユの味

そんな『ひさご』の歴史は古く、女将さんのお父さんが店を始めたのが昭和35年。前回の東京オリンピックよりも前だ。
そこから八っちゃんが店を継ぎ、先代が作ったツユの味は、今に至るまで変えていないという。
そこから八っちゃんが店を継ぎ、先代が作ったツユの味は、今に至るまで変えていないという。
年季の入った製麺機が送り出すそばが客を惹きつける

そして、店の奥にある製麺機も、先代から受け継がれたもの。
八っちゃんが言うには、買うよりも自家製麺のほうがムダがでなくていいんだ、とのことだが、毎日、手間をかけて製麺しているのは、やっぱりおいしいそばにこだわっているからだろう。江戸っ子の八っちゃんに聞いても、そんな真面目な答えは返してくれないと思うけれど。
八っちゃんが言うには、買うよりも自家製麺のほうがムダがでなくていいんだ、とのことだが、毎日、手間をかけて製麺しているのは、やっぱりおいしいそばにこだわっているからだろう。江戸っ子の八っちゃんに聞いても、そんな真面目な答えは返してくれないと思うけれど。
もちもちした歯ごたえのうどんも、無性に食べたくなる

その製麺機ではそばだけでなく、うどんも作っている。このうどんがもちっとした歯ごたえで、かなりうまいのだ。
讃岐うどんが定着して以来、うどんはコシが重要視される傾向があるけれど、もちもちのうどんだってうまいのだ。東京のうどんは、やわらかくなくちゃね。
讃岐うどんが定着して以来、うどんはコシが重要視される傾向があるけれど、もちもちのうどんだってうまいのだ。東京のうどんは、やわらかくなくちゃね。

この冷やしおろしうどん(380円)は、スッキリながらコクのあるツユとおろしのさっぱりさが相まって、お酒を飲みすぎた翌日などは、無性に食べたくなる。
ツユは冷やすのに氷を使っていて、しっかり冷えていながらカドがない。
八っちゃんのトークをBGMに、そばと同じく長めのうどんをズルズルすすれば、なんだかずいぶんと楽しくなる。
あぁ、『ひさご』に来たなぁ、と感じてくるのだ。
ツユは冷やすのに氷を使っていて、しっかり冷えていながらカドがない。
八っちゃんのトークをBGMに、そばと同じく長めのうどんをズルズルすすれば、なんだかずいぶんと楽しくなる。
あぁ、『ひさご』に来たなぁ、と感じてくるのだ。
浅草橋『ひさご』には、丼ぶりに収まりきらないうまさがある

ちなみにこのアヒルは、前に店でもらったもの。
アヒルに限らず、八っちゃんは気が向くと、駄菓子屋にあるようなおもちゃをいろいろくれるのだ。ちなみにこのアヒルの下に「金」と書いて拝んでいると、宝くじに当たるそうだ。
アヒルに限らず、八っちゃんは気が向くと、駄菓子屋にあるようなおもちゃをいろいろくれるのだ。ちなみにこのアヒルの下に「金」と書いて拝んでいると、宝くじに当たるそうだ。

こんな話を聞きながら、すするそばは格別だ。うまいそばと、うまい話。いつまでも、僕らを楽しませてほしいものだ。

- 東京ソバット団
- 本橋隆司=美味い立ち食いそばを求めて西へ東へ。バッと行ってバッと食ってバッと帰る東京ソバット団の団長。そば以外にもフリーの編集、ライターとしてウェブなどで仕事中。近著『立ち食いそば大図鑑』(スタンダーズプレス)、FBページ「https://www.facebook.com/tokyosobatdan/」
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