更新日:
2022年12月06日
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高田馬場『スィゥミャンマー』でダンパウを食べて確信したミャンマー料理と日本人の相性
ミャンマー風炊き込みご飯「ダンパウ」を食べたくなって、「リトル・ヤンゴン」の異名をとる高田馬場の『スィゥミャンマー』を訪ねました。ミャンマー料理ってタイ料理ほど辛くなく、どこかホッとする味わいなんです。——日本の日常に溶け込んだ異国の料理店を訪ねる連載『辺境食堂』です。(2019年11月29日公開)
- Sainowaki
「リトル・ヤンゴン」高田馬場のミャンマー料理専門店『スィゥミャンマー』
アジアは偉大な「炊き込みごはん」大陸。
米食が盛んなアジアには、インドの「ビリヤニ」を筆頭に、その土地ならではの炊き込みごはんが“群雄割拠”している。
東南アジアのミャンマーにも、暮らしに根づいたひと皿があるらしい。ということで、「リトル・ヤンゴン(ミャンマーの首都)」の異名を持つ東京・高田馬場に足を運んだ。
米食が盛んなアジアには、インドの「ビリヤニ」を筆頭に、その土地ならではの炊き込みごはんが“群雄割拠”している。
東南アジアのミャンマーにも、暮らしに根づいたひと皿があるらしい。ということで、「リトル・ヤンゴン(ミャンマーの首都)」の異名を持つ東京・高田馬場に足を運んだ。

訪れた店は『スィゥ ミャンマー』。噂の炊き込みごはんは「ダンパウ」という。
この店では「ダンパウセット」(950円・税込)と定食になっていて、ダントツの一番人気。ミャンマー人はもちろん、日本人客にも愛されている。
この店では「ダンパウセット」(950円・税込)と定食になっていて、ダントツの一番人気。ミャンマー人はもちろん、日本人客にも愛されている。
骨付きチキンがドドン!迫力満点の「ダンパウ」

目の前に姿を現わした「ダンパウ」は、ビリヤニでも日本の炊き込みごはんでもない、迫力満点の一品だった。チキンの骨付きモモ肉がドドン! とごはんに乗ってるのだ。
店主のスィゥさんが解説する。
「牛やマトン(羊)の肉を使うときもありますが、いちばんポピュラーなのがチキン。カレー味で煮込んでいます。チキンとごはんと混ぜながら食べてください」
店主スィゥさんのガイダンスにしたがって、チキンにフォークを入れると、心地いいほどにホロホロとくずれていく。このジューシーなカレーチキンと、ほんのりスパイスが香るごはんとの相性は満点。老若男女、だれからも愛されているのも納得だ。
店主のスィゥさんが解説する。
「牛やマトン(羊)の肉を使うときもありますが、いちばんポピュラーなのがチキン。カレー味で煮込んでいます。チキンとごはんと混ぜながら食べてください」
店主スィゥさんのガイダンスにしたがって、チキンにフォークを入れると、心地いいほどにホロホロとくずれていく。このジューシーなカレーチキンと、ほんのりスパイスが香るごはんとの相性は満点。老若男女、だれからも愛されているのも納得だ。

ミャンマーといえば、お隣はタイ。タイ料理といえば辛さで知られるが、ミャンマーは違った。ダンパウはスパイス控えめ。ほんのりとした柔らかな味わいなのだ。
炊き込みごはんというより、イメージはピラフに近い。レーズン、カシューナッツ、グリンピース、タマネギと具材がたくさんで、食感も飽きない。日本人の舌にも合いそうだ。
「ミャンマー料理って、タイほど辛くないんですね」と私が言うと、スィゥさんは「そうだよ。でももっとスパイシーにしたい人には、ふりかけがあるよ」、そう言って赤い色をした不思議な粉を見せてくれた。
炊き込みごはんというより、イメージはピラフに近い。レーズン、カシューナッツ、グリンピース、タマネギと具材がたくさんで、食感も飽きない。日本人の舌にも合いそうだ。
「ミャンマー料理って、タイほど辛くないんですね」と私が言うと、スィゥさんは「そうだよ。でももっとスパイシーにしたい人には、ふりかけがあるよ」、そう言って赤い色をした不思議な粉を見せてくれた。
ミャンマー風ふりかけ「バラチャオ」がクセになる旨さ

これは「バラチャオ」という名の、ミャンマー風ふりかけ。干しエビ、タマネギ、ニンニク、唐辛子を強火で揚げて、粉末状にしたもの。定食にも、もれなくついてくる。
このバラチャオが素晴らしい発見だった。適度な辛みとサクサク感でスプーンが止まらなくなるのだ。
自分好みの辛さに、ごはんをカスタマイズできるのもうれしい。別売りもしているので、ごはんのお供に重宝している日本人客もいるのだとか。
このバラチャオが素晴らしい発見だった。適度な辛みとサクサク感でスプーンが止まらなくなるのだ。
自分好みの辛さに、ごはんをカスタマイズできるのもうれしい。別売りもしているので、ごはんのお供に重宝している日本人客もいるのだとか。

ひと皿でさまざまな味を楽しめるダンパウは、調理に手間ひまかかるため、ミャンマーでは家庭の味というより、外で食べるぜいたくな料理として定着しているらしい。
スィゥさんが教えてくれた。
「ダンパウは、出産や結婚式といった特別な日に食べるもの。お坊さんに振る舞うこともあります。というのもミャンマーは仏教徒が多くて、お坊さんは尊敬されていますからね」
ダンパウを通して、ミャンマーの人々の暮らしが見えてきた。
スィゥさんが教えてくれた。
「ダンパウは、出産や結婚式といった特別な日に食べるもの。お坊さんに振る舞うこともあります。というのもミャンマーは仏教徒が多くて、お坊さんは尊敬されていますからね」
ダンパウを通して、ミャンマーの人々の暮らしが見えてきた。
高田馬場が「リトル・ヤンゴン」と化した理由
『スィゥ ミャンマー』がある高田馬場は、冒頭で触れたように多くのミャンマー・レストランがひしめく。
1988年、軍事独裁政権が続いてきたミャンマーで、民主化を求める大規模デモが発生した。軍事政権は武力によってデモを弾圧。その中で多くの人々が難民となって国を離れ、一部が日本へ。この街にコミュニティが生まれた。
店主のスィゥさんも、日本に亡命したひとり。大学講師として民主化運動に参加したが、命からがらタイに逃れ、そこから日本に新天地を求めた。
「軍事政権と仲がいい国には逃げられない。数少ない選択肢の中で日本を選びました。京都に知り合いもいましたからね。私は日本に暮らし始めた、最初のミャンマー人のひとりなんです」
1988年、軍事独裁政権が続いてきたミャンマーで、民主化を求める大規模デモが発生した。軍事政権は武力によってデモを弾圧。その中で多くの人々が難民となって国を離れ、一部が日本へ。この街にコミュニティが生まれた。
店主のスィゥさんも、日本に亡命したひとり。大学講師として民主化運動に参加したが、命からがらタイに逃れ、そこから日本に新天地を求めた。
「軍事政権と仲がいい国には逃げられない。数少ない選択肢の中で日本を選びました。京都に知り合いもいましたからね。私は日本に暮らし始めた、最初のミャンマー人のひとりなんです」

日本で暮らし始めたスィゥさんは、建設現場で働いた。言葉ができないので肉体労働をするしかない。そして1年後には将来を約束した、いまの妻が来日して結婚。ふたりの子どもに恵まれた。
「1、2年のつもりで日本に来たのに、気づけば30年も経っていました」
流暢な日本語が、異国での暮らしの長さを物語る。
時は流れて、祖国は大きく生まれ変わった。いまは帰国しても、拘束される恐れはない。
だが、スィゥさんは日本に留まった。それは、子どもたちが日本になじんでいたことが大きい。
「一度は帰国しようと思ったけど、今後も日本で暮らさなきゃいけない。でも建築会社はやめていたから、また新しい仕事を始めなきゃいけなくなった。そのときに飲食をやろうと思ったんだ。妻が料理が得意だからね。ウチは90種くらいメニューがあるけど、すべて妻が若いころ、母を手伝う中で覚えたものだよ」
「1、2年のつもりで日本に来たのに、気づけば30年も経っていました」
流暢な日本語が、異国での暮らしの長さを物語る。
時は流れて、祖国は大きく生まれ変わった。いまは帰国しても、拘束される恐れはない。
だが、スィゥさんは日本に留まった。それは、子どもたちが日本になじんでいたことが大きい。
「一度は帰国しようと思ったけど、今後も日本で暮らさなきゃいけない。でも建築会社はやめていたから、また新しい仕事を始めなきゃいけなくなった。そのときに飲食をやろうと思ったんだ。妻が料理が得意だからね。ウチは90種くらいメニューがあるけど、すべて妻が若いころ、母を手伝う中で覚えたものだよ」

料理は妻まかせのスィゥさんだが、店を出すにあたって来日後の仕事が役に立った。
「お金がないから、厨房まわりの配管や内装はすべて自分でやったんだ。ミャンマーの仲間たちも手伝ってくれてね。大事にしてきた一家の店、これからもしっかり守っていくよ」
異国に暮らすミャンマー人と祖国をつなぐダンパウ。その穏やかなスパイスの風味を、ぜひとも堪能してほしい。
「お金がないから、厨房まわりの配管や内装はすべて自分でやったんだ。ミャンマーの仲間たちも手伝ってくれてね。大事にしてきた一家の店、これからもしっかり守っていくよ」
異国に暮らすミャンマー人と祖国をつなぐダンパウ。その穏やかなスパイスの風味を、ぜひとも堪能してほしい。
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