更新日: 2019年09月17日
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日本一美味しいスーパードライが飲める、新橋『DRY−DOCK』の神がかりな注ぎテク

シャープにサトウにマツオ。これなんのことだか分かりますか?すべては“日本一美味い”スーパードライを提供するための、プロならではの「ビール注ぎテク」なんです。——流行る店にはワケがある!知ってて得する最前線の飲食店情報を業界の事情通がご紹介する連載です。(2019年7月11日公開)

酒井慎平
外食ジャーナリスト、地域食材コーディネーター...

東京で飲めるうまい生ビールなら!

東京で美味しい生ビールが飲めるお店はないか。
職業柄そう尋ねられることがよくあるが、この記事を読んでいるグルメなあなたも一度は尋ねられた、もしくは自問自答したことがあるだろう。

そんなビール好きにとって、美味しい生ビールが飲める飲食店は地上の極楽だ。
地を這い生き血を欲するゾンビのように、夜な夜な街を徘徊し飲み屋でビールを啜る人々のなんと多いことか。
かくいう私もその一人であるが、今回は東京の名店の中でも、“日本一美味しいスーパードライ”が飲める『DRY-DOCK(ドライドック)』を紹介しながら、生ビール礼賛といこうではないか。
DRY-DOCKの外観

“日本一”の理由は違いを生む「注ぎ技」にあり

『ドライドック』は、東京・JR新橋駅の高架下で2007年から営業するビアバーだが、“日本一美味しいスーパードライ”とは、いささか大仰にすぎるキャッチフレーズだ。
私も一口飲むまでは半信半疑だった。

看板メニューは、もちろん「アサヒスーパードライ」。小細工なしだ。
ほかのスーパードライと何が違うのだろうか。
一目で分かるのは、ビールの注ぎ方。
同じスーパードライでも、注ぎ方で味わいが変わるのだ。

『ドライドック』には「シャープ注ぎ」「サトウ注ぎ」「マツオ注ぎ」の3種類の注ぎ方があり、同じ銘柄で異なる味わいが楽しめる。
DRY−DOCKのシャープ注ぎ
まずは「シャープ注ぎ」。きめ細かくクリーミーな泡で口当たりがよく、なめらかな味わいが特徴だ。
(※編集部注/写真ではどれも同じように見えますが、味わいはずいぶん違います)
DRY-DOCKのサトウ注ぎ
次に、初代店長の佐藤氏が研究考案した「サトウ注ぎ」。適度に炭酸ガスを抜きながら一度で注ぎ上げ、クリスピーでドライな刺激が味わえる。
(※編集部注/写真ではどれも同じように見えますが、味わいはずいぶん違います)
DRY-DOCKのマツオ注ぎ
最後に「マツオ注ぎ」。新橋ビアホールの名店『ビアライゼ’98』の松尾氏から伝えられた技で、炭酸ガスをじっくり時間をかけて抜き、二度注ぎによって麦の味わいをしっかり引き出す。
(※編集部注/写真ではどれも同じように見えますが、味わいはずいぶん違います)

なぜ味が変わるのか?

ビール大国のドイツやチェコには、ビールを泡立てながら時間をかけてグラスに注ぐ伝統文化がある。
ビールの泡は麦芽のタンパク質の膜とホップの苦味を含むため、わざと大量の泡を発生させて苦味を取り除き、甘みを残して飲みやすくするのだ。

『ドライドック』でも、泡の量やタイミング、注入角度を変えて、液中に溶け込む二酸化炭素量を自在に操ることで、口当たりの良いまろやかなビールから、ピリピリする辛口ビールまで自在に変化させている。

メニュー表以外にも泡だけの「ミルコ」や「マイルド」など裏メニュー的注ぎ方があるので、スタッフに尋ねてみるのも面白い。

ビールにこだわる店に共通する姿勢

DRY-DOCKのタップ
こだわりは注ぎ方だけではない。
『ドライドック』をはじめとする美味しい生ビールを提供する飲食店では、ビールを注ぐタップや細かな器具の徹底洗浄と消毒殺菌作業を怠らない。
また、それぞれ個性を持つビールのために専用設計されたグラスの洗浄管理を徹底している。
生ビールはお店の姿勢を写す鏡といってもいい。
毎日コツコツと手間のかかる作業を怠らない飲食店だけが、本当に美味しい生ビールを提供できるのだ。

最近では、消費者側の趣向の変化もあって、こだわりの生ビールが飲める飲食店も増えてきた。
『ドライドック』で育って独立開業したお店や、アサヒスーパードライ以外にも大手樽生ビールを扱う専門店も登場している。

“日本一美味しいスーパードライ”の根拠は、生ビールのポテンシャルを最大限に引き出す徹底した品質管理と、お客の好みに合わせてベストな一杯を注ぐ職人の技の融合にある。
飲めばわかる“日本一美味しい”は、決して酔いのせいではない。

単純だからこそ奥が深く、身近だからこそ気づきにくいその魅力に、ビール職人がいるお店で今一度どっぷり浸ってみてはいかがだろうか。
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日本一美味しいスーパードライが飲める、新橋『DRY−DOCK』の神がかりな注ぎテク

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酒井慎平
外食ジャーナリスト、地域食材コーディネーターにして、元『フードリンクニュース』編集長。全国の飲食企業やメーカーなど約3,000社に精通する外食ジャーナリストとして活躍。2019年4月に独立し、全国の地域食材のブランディング事業を開始した。 Instagram:@sakai.s https://www.instagram.com/sakai.s Facebook https://www.facebook.com/shinpei.sakai.3

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