更新日:
2023年02月14日
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神田『アルミーナ』で知る、最良のオリーブオイルがもたらす豊穣なパレスチナ料理の魅力
神田の『アルミーナ(ALMINA)』は都内でも珍しいパレスチナ料理の店。日本から見るとシリアスなイメージの強い土地ですが、その食文化は実に豊穣。最古かつ最良とされるオリーブオイルを中心に、世界に誇るべき食文化があるのです。——日本の日常に溶け込んだ異国の料理店を訪ねる連載『辺境食堂』です。(2020年2月28日公開)
- Sainowaki
神田『アルミーナ(ALMINA)』で味わうパレスチナの豊穣な食文化
パレスチナ。
この言葉にみなさんは、紛争や難民といった国際社会の厳しい現実を思い浮かべるのではないだろうか。
しかし、忘れてはいけない。この地には太古の時代から育まれた、豊饒な食文化が根づいているということを。
世界中の食が集まる東京には、名店の呼び声高いパレスチナ・レストランがある。神田の『アルミーナ(ALMINA)』だ。
イスラエル国籍のパレスチナ人、シャディ・バシイさんが2010年にオープンしたこの店の自慢、それは故郷パレスチナから取り寄せるオリーブオイル。もちろん、有機栽培されたものだ。
パレスチナは最古のオリーブの産地とされ、バシイさんによると樹齢千年を超える古木がいまも実をつけているという。
この言葉にみなさんは、紛争や難民といった国際社会の厳しい現実を思い浮かべるのではないだろうか。
しかし、忘れてはいけない。この地には太古の時代から育まれた、豊饒な食文化が根づいているということを。
世界中の食が集まる東京には、名店の呼び声高いパレスチナ・レストランがある。神田の『アルミーナ(ALMINA)』だ。
イスラエル国籍のパレスチナ人、シャディ・バシイさんが2010年にオープンしたこの店の自慢、それは故郷パレスチナから取り寄せるオリーブオイル。もちろん、有機栽培されたものだ。
パレスチナは最古のオリーブの産地とされ、バシイさんによると樹齢千年を超える古木がいまも実をつけているという。
美しい前菜の味の決め手は、質の良いオリーブオイル
▲「前菜4種盛り合わせ」1,400円(税抜)
左上から時計まわりに「そらまめのペースト」「オクラとトマトのオリーブソース」「オリーブのペースト」「ホムス(ひよこまめのペースト)」
左上から時計まわりに「そらまめのペースト」「オクラとトマトのオリーブソース」「オリーブのペースト」「ホムス(ひよこまめのペースト)」
『アルミーナ』に来たら、なによりもまず「前菜の盛り合わせ」を味わってほしい。
「ホムス」と呼ばれるひよこ豆のペーストをはじめ、ソラマメ、オクラとトマト、オリーブのペーストは、すべてフレッシュなオリーブオイルをふんだんに使った逸品。酸味がしっかり効いていて、それでいて奥深い味わい。
これだけでも、『アルミーナ』に足を運ぶ価値がある。
「ホムス」と呼ばれるひよこ豆のペーストをはじめ、ソラマメ、オクラとトマト、オリーブのペーストは、すべてフレッシュなオリーブオイルをふんだんに使った逸品。酸味がしっかり効いていて、それでいて奥深い味わい。
これだけでも、『アルミーナ』に足を運ぶ価値がある。
パセリが主役!異国情緒たっぷりな「タブーリ・サラダ」
▲「タブーリ・サラダ」1,300円(税抜)
続いて出てきたのが、中近東でよく食べられる「タブーリ・サラダ」。栄養価が非常に高い、パセリのサラダだ。
こちらはオリーブオイルとレモン汁のドレッシングがさわやか。青くささやえぐみがなく、とても食べやすい。濃いグリーンの中に輝く赤い粒はザクロの実。プチッとした食感と甘みがたまらない。「パセリは添え物」というイメージが、あっさりとくつがえされた。
こちらはオリーブオイルとレモン汁のドレッシングがさわやか。青くささやえぐみがなく、とても食べやすい。濃いグリーンの中に輝く赤い粒はザクロの実。プチッとした食感と甘みがたまらない。「パセリは添え物」というイメージが、あっさりとくつがえされた。
肉がっつりフジヤマ盛りの「マンサフ」
▲「マンサフ」2,200円(税抜)
そしてメインディッシュが、ボリューム満点の「マンサフ」。ラム肉が鎮座する、中近東風の炊き込みごはんだ。宴席でかならず振る舞われる料理で、パレスチナ人の大好物だという。
ソテーしたラム肉を、故郷から取り寄せたスパイスとともに煮ること6時間。ほろほろになったラム肉とピラフに、ヨーグルトソースをかけまわしていただく。
ラム肉からあふれる肉汁とスパイス、さらにはヨーグルトの爽やかな酸味が奏でるハーモニーに幸せになる。
『アルミーナ』に足を運んで、パレスチナの印象は大きく変わった。
凄惨なイメージばかりで伝えられる彼の地には、世界に誇る素晴らしい食文化があるのだ。
ラム肉からあふれる肉汁とスパイス、さらにはヨーグルトの爽やかな酸味が奏でるハーモニーに幸せになる。
『アルミーナ』に足を運んで、パレスチナの印象は大きく変わった。
凄惨なイメージばかりで伝えられる彼の地には、世界に誇る素晴らしい食文化があるのだ。
日本にハラルフードがないなら自分でやればいい
それにしてもバシイさん、どうして日本でレストランを?
いつもの問いかけをしたところ、バシイさんは日本とのかかわりについて語り始めた。
「ぼくが初めて日本に来たのは2002年。そう、ワールドカップを見るために日本に来たんだ」
好きなチームはブラジル代表。そのブラジルが優勝したこともあって、日本滞在は最高に楽しいものになった。
ただひとつ、食生活をのぞいて。
イスラム教徒のバシイさんは、行く先々で食に苦労した。
いまでこそ、ハラルタコ焼きまである日本だが、20年前はハラルフード自体が珍しかった。
「やっと見つかったと思ったら、味がうすくてまずい。そんなハラルフードしかなかったんだ」
そんな日々の中で、バシイさんは思い立つ。
「それなら日本でパレスチナ料理やってみよう」と。
「ぼくはイスラエルとオランダのレストランで働いた経験があるし、もともと見知らぬ土地に行くことが好きなんだ。日本にもいつか、ハラルフードが求められる時代が来ると思った。だったら、この国で働いて、いつか自分の店を出そうって」
いつもの問いかけをしたところ、バシイさんは日本とのかかわりについて語り始めた。
「ぼくが初めて日本に来たのは2002年。そう、ワールドカップを見るために日本に来たんだ」
好きなチームはブラジル代表。そのブラジルが優勝したこともあって、日本滞在は最高に楽しいものになった。
ただひとつ、食生活をのぞいて。
イスラム教徒のバシイさんは、行く先々で食に苦労した。
いまでこそ、ハラルタコ焼きまである日本だが、20年前はハラルフード自体が珍しかった。
「やっと見つかったと思ったら、味がうすくてまずい。そんなハラルフードしかなかったんだ」
そんな日々の中で、バシイさんは思い立つ。
「それなら日本でパレスチナ料理やってみよう」と。
「ぼくはイスラエルとオランダのレストランで働いた経験があるし、もともと見知らぬ土地に行くことが好きなんだ。日本にもいつか、ハラルフードが求められる時代が来ると思った。だったら、この国で働いて、いつか自分の店を出そうって」
ヘルシーかつ美しい料理が女性の心を鷲掴み
2004年にふたたび来日したバシイさんは、日本語を勉強しながら、イタリアンや和食レストランでひたすら働き、開店資金をため、2010年2月ついに『アルミーナ』をオープンする。
上品でヘルシーで見た目も美しいバシイさんのパレスチナ料理は、イスラム教徒だけでなく、日本人、とくに女性の胃袋をつかんだ。東京を代表するハラルフード・レストランとして、遠方からもお客さんが訪れる人気店となった。
上品でヘルシーで見た目も美しいバシイさんのパレスチナ料理は、イスラム教徒だけでなく、日本人、とくに女性の胃袋をつかんだ。東京を代表するハラルフード・レストランとして、遠方からもお客さんが訪れる人気店となった。
マンサフに舌鼓を打つ私を見て、バシイさんは言う。
「パレスチナというと、危険なイメージしかないでしょ? でも食文化をはじめ、いいものがたくさんあるんだ。イスラエル国籍のパレスチナ人であるぼくは、たしかに祖国ではチャンスが少なく不利な立場でに置かれていた。でもね、ユダヤ人の友達はたくさんいて、みんな仲良くやっていたんだ。そういうことも知ってもらえたら、とてもうれしいな」
さわやかなオリーブの香りが漂う『アルミーナ』。扉の向こうに私たちが知らないパレスチナが待っている。
「パレスチナというと、危険なイメージしかないでしょ? でも食文化をはじめ、いいものがたくさんあるんだ。イスラエル国籍のパレスチナ人であるぼくは、たしかに祖国ではチャンスが少なく不利な立場でに置かれていた。でもね、ユダヤ人の友達はたくさんいて、みんな仲良くやっていたんだ。そういうことも知ってもらえたら、とてもうれしいな」
さわやかなオリーブの香りが漂う『アルミーナ』。扉の向こうに私たちが知らないパレスチナが待っている。
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