更新日: 2023年01月13日
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現代日本にモロッコの家庭の温もりを再現した、みずほ台『LA FETE』

日本人の日常にすっかり溶け込んだ異国の料理店。いまや全世界の料理を食べられそうな勢いですが、そこで働く人々はなぜ、世界的には辺境といえる極東の島国で商いをしているのでしょうか。日本で腕を振るうシェフの半生に迫りつつ、まだ見ぬ異国の料理を伝える連載『辺境食堂』。第2回は埼玉県みずほ台駅のモロッコ料理『LA FETE』です。(2019年6月14日公開)

Sainowaki

「幸せ」を意味する名のモロッコ料理店

池袋から東武東上線に揺られて30分ほど。「みずほ台」駅で降りると、都心にはない空の広さに気分が晴れやかになる。

商店と畑がならぶ一本道を歩くこと8分、この街には首都圏でも珍しいモロッコ・レストラン『LA FETE(ラフェッテ)』がある。
店主のマルキ・サイッドさんが、この店を出したのは5年前。
モロッコのマラケシュに生まれ、18歳のときにパリに移り住んで料理の修行を積み、23歳で来日。
地盤改良の仕事に就き、忙しく日本中を飛びまわっていたが、45歳のときに長年の念願だったモロッコ料理の店を出した。
店の名は「幸せ」や「祝祭」を意味する。
店主のマルキ・サイッドさん。笑顔に穏やかな人柄がにじみでている
それにしても、なぜ埼玉の郊外にレストランを?
率直にたずねると、マルキさんは流暢な日本語で語り始めた。
「それは忙しい日本の人たちに、都会の喧騒から離れたところでゆっくりと静かな時間を過ごしてほしいからです」
利益を追求するなら、都心に店を出せばいい。だがマルキさんには、それよりも大切なものがあるのだ。

「もう人生の半分以上の時間を、この国で過ごしてきました。
でも27年前に来日したときから、日本はずいぶん変わってしまって……。
地域のお祭りがなくなり、肉屋や豆腐屋、雑貨屋がならぶ商店街も次々と消え、のどかな田園風景も減りつつあります。
大型商業施設の中で休日を過ごし、食事をしている子どもたちを見ると、このままでいいのかな? と寂しさや不安がつのります」

大丈夫か、ニッポン。モロッコの人に心配されてるぞ。
きめ細やかな気配りが行き届いた、清潔感あふれる店内

幸せとは人々が温かな環境で落ち着いて暮らすこと

マルキさんにとっての「幸せ」、それは人々が温かな家庭や地域に抱かれて落ちついて暮らすということ。彼の祖国モロッコには、まだそんな暮らしが色濃く残っているという。

「モロッコには“レンジでチン”の習慣はないので、どこの家庭もイチから料理をつくります。
子どもたちは料理を手伝うのが当たり前で、ぼくも自然に料理をおぼえました。そんな手間ひまかけて作った家庭の味を、子どもからお年寄りまで、みんなで輪になって楽しむんです」

『LA FETE』は、マルキさんが日本に再現したモロッコの家庭なのだ。
化学調味料を一切使わず、素材の味を大切にした『LA FETE』の味は、じわじわと地元に浸透。
マルキさんの気さくな人柄も手伝って、いまでは近所の親子やお年寄りの憩いの場のようになった。
この店のヘルシーな料理を通じて、野菜を食べられるようになった人、花粉症が改善した人も少なくない。
「牛バラ煮込み」1,000円(税込)
評判が評判を呼び、やがて東京や神奈川からやって来るお客さんも増えた。いまでは外国人客も少なくない。
外国人客が訪れると、マルキさんの特技が発動する。語学だ。

「モロッコという国では外国語が飛び交っているので、少ない人でも4言語くらい話しますよ。私は7つ。
アラブ語、フランス語、日本語、英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、中国語、インドネシア語……」
あれ? いまいくつ?
英語ひとつで右往左往している私には羨ましいかぎりなのだ。

モロッコ料理の定番「クスクス」で幸せなひとときに浸る

「チキン・クスクス」1,300円(税込)
そんなマルキさんが、『LA FETE』自慢のひと皿を振る舞ってくれた。

「モロッコ料理といえば、やはりこれですね」

目の前に出てきたのは、色鮮やかなチキン・クスクス。
クスクスとはモロッコをはじめとした北アフリカの主食で、世界最小のパスタとしても知られる。
マルキさんによると、イスラム教徒の休日である金曜日に必ず食されるという。
粒々の独特の食感が心地よく、スパイスのおかげで食べているうちに、身体が温まってきたぞ。
都会の喧騒を離れて味わう本場のクスクス。それは忙しい日本人にとって幸せなひとときになるはずだ。
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現代日本にモロッコの家庭の温もりを再現した、みずほ台『LA FETE』

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