更新日: 2018年09月12日
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【話題】一時閉店していた大森の大衆酒場の名店「煮込み 蔦八」が昨年9月に再開店していた!

2015年3月末に前店主の高齢化により惜しまれ閉店した、昭和45年創業の東京を代表する大森の大衆酒場の名店「煮込み 蔦八」が新たな店主の手により、半年後の9月14日に復活した。新たな店主となったのは、高齢化や継承者問題などで閉店という危機に直面する老舗大衆酒場の存続と再生を行う事業を始めた、「銀座じゃのめ」などを展開するPIPS(東京都大田区)の代表取締役土屋一史氏だ。

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年季の入ったカウンターの中央で存在感を見せる大きな鉄鍋で、煮込まれているのが、名物の煮込みだ
立地は、JR大森駅の東口から買い物客や地元の人々が賑わいを見せるアーケード街の脇にのびる路地。スナックや小料理屋が軒を連ねた昭和の風景を残すディープな路地に店を構えるのが同店だ。屋号を入れたオレンジ色のテントに、縄のれんと赤ちょうちんを下げた佇まいが老舗大衆酒場らしい風格を見せる。縄のれんをくぐり、ガラリ戸を引くと、角も丸くなり枯れた風合いとなったコの字カウンターを中央に構えた王道の古典酒場らしい空間が迎えてくれる。再開にあたり、冷蔵庫の設置やトイレ、厨房など一部はリニューアルしたが、飴色となった壁板をはじめ、ほとんどが創業以来の当時の作りをそのまま残している。今は目にすることのない独特の酒燗器、ピンクや青といったカラー札をピンに刺していく独特の会計システム、縁の磨り減った升など、どれもこれまで歩んできた歴史を息づかせている。
名物「煮込み玉子入」。升の磨り減った縁は、これまで歩んできた歴史の証だ
そして、何よりも引き継ぐ中の一番は、先代の店主が平和島競艇場で店を構えていた時から人気であった“煮込み”の味だ。先代からの業者より仕入れる新鮮で上質な和牛のホルモン30kgを仕込み、鍋に継ぎ足していく。程よい甘さのある醤油ベースの「煮込み」は、ホルモンの脂の旨味が柔らかくなるように、開店1時間前には鍋に火を入れし、調整するという。シンプルな「煮込み」(680円)に、玉子を入れた「煮込み玉子入」(780円)、「煮豆腐」(380円)が用意される。また「ねぎぬた」(480円)、「ポテトサラダ」(380円)など先代から引き継ぐ味も健在だ。そのほかに「自家製カレーコロッケ」(380円)、「シメサバ」(580円)「新タマネギの串揚げ」(190円)、同社系列店の味「麻布羊屋の塩ダレキャベツ」(380円)など、新しくも懐かしい味の手作り家庭惣菜も加え、バリエーションも豊かにしている。ドリンクは「ホッピー」(480円)、焼酎の「芋、麦」(各480円)、甕だしの「紹興酒 古酒」(480円)、系列店の日本酒専門店、「銀座じゃのめ」が選ぶ人気の日本酒(一合580円)などを加え、酒場としてのポジションを固めている。
料理やドリンクを出すごとにカラー札を刺していくアナログな会計システムは、今、新鮮に感じる
同店は、昭和45年に大森に出店して以来、大手自動車メーカーをはじめとした地元企業の人々が足繁く通う繁盛店であった。その評判はいつしか、遠方からも客が訪れる東京を代表する“煮込み”が美味しい酒場の1軒に数えられる銘店となったのだ。しかし、先代の大将が亡くなり、その後、女将さんが一人で店を守ってきたが、ついに長い歴史を終えることとなった。そのことを知った土屋氏が継ぐことを決めたという。同店のように、人々の憩いの場として長く愛されていた酒場が、高齢化、継承者不足、さらには街開発、そして客自体の高齢化により、ひっそりと灯を落とすことも珍しくない。昭和時代の食文化、酒場文化のみならず、昭和時代の日常がリアルに息づく老舗大衆酒場の存在価値を後世へ繋ぎ、伝えることが大事であると、土屋氏は事業化を決めたという。さらに、“シニア世代の活躍の場”としての活性化をも視野に入れ、スタッフに起用している。また、今回、事業として達成するために、5品だけだった料理やドリンクのアイテムを増やした。ドリンク類に関しては100円アップ、また、一人250円の席料の加算など、イメージを損なわい改革を行った経験を今後の展開に反映させて行きたいと考えている同氏。新しい店を作るばかりでなく、老舗大衆酒場再生化という今までにない新しい飲食ビジネスに取り組む土屋氏へ、大きく期待したい。

(取材=にしやま とみ子)
老舗大衆酒場の存続と再生に取り組む、オーナーの土屋一史氏
営業時間:月〜土 17:00〜23:30
     祝   17:00〜22:30
定休日:日曜及び年末年始
坪数客数:14坪(内客席スペース8坪))・24席(カウンター12席、テーブル12席)
客単価:2400円
運営会社:株式会社PIPS
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